実戦シリーズ終了後の過ごし方(大受生向け)

あとは過去問解きまくるだけ?
授業は終わった.講習を除けば一人で勉強することになる.そこで大多数の受験生は,ひたすら過去問などの入試問題演習だけに励むようになる. それが大間違い.数学の勉強で一番大切なこと,それは頻出問題の解法を覚えることでもないし,受ける大学の入試傾向を熟知することでもない.
基本原理の理解
である.
講師の肉声をともなう授業では,問題解法はつねに基本原理とともに語られていたはずである.しかしその音声情報から隔離され,限られた紙面の中で必要最低限の“問題解法”だけが書かれた書物で勉強するようになると,単なる“問題演習のための問題演習”に成り下がってしまう危険性大!力が「伸びない」では済まない.力は間違いなく「低下する」.
基本原理の理解 ←→ 問題演習
この往復運動を忘れると,これまでの努力がパーである.

とにかくテキストの復習!!
これをベースにおいた勉強を継続して欲しい.とくに基礎シリーズのテキストは,基本原理を理解することを目指して編集されているからみっちりと.そして,完成シリーズの問題解法の中で,その基本がどのように活用されていたかを繰り返し確認しよう.講師の肉声を思い出しながら.たとえ「もう解けるようになったな」と思っても繰り返し復習すること.
ここで注意.あなたの“復習”は,上で述べた“往復運動”になっているか?

  • 問題演習を通して基本原理を理解する
  • 考えないで答を出すシステムの構築

↑どっちがよくてどっちがいけないかわかってくれてるよなあ・・・

テキストの復習をしながら,いま自分がどちらの姿勢で復習しているか,ときどき胸に手を当ててチェックしよう.(「遡るべき基本が何なのかわからない」という人は,当ページ内の「基本事項集」を活用してね.)
基礎シリーズ,完成シリーズに割く労力の比率は,自身の到達度合いに応じて.「テキストはほぼ完璧に理解できた」という人は「基礎:5,完成:5」.「どうも消化し切れなかったなあ」という人は「基礎7,完成3」で,完成の超ムズ問題はパスしても可.

他の問題集
この時期,「これから問題集買ってやろうと思うんですけど・・・」と聞かれることがある.もちろん,やった方がいい.河合のテキストを何回繰り返そうが,たぶん入試本番で出るのはそれとはまた別の問題である.なるべくたくさんの問題に出会っておいた方が有利であるし,初見の問題を解くトレーニングをまったくしない訳にはいかない.
だが,1つ言っておきたいことがある.
河合を信じなさい.
河合のテキストをしっかりマスターすれば,ほとんどの入試問題を解くための基礎は備わっているはずである.これは断言してもいい.もちろん,あくまでも“基礎”であって,“解き方”ではない.「それなら・・・」と言って,ほとんどの入試問題の“解き方”そのものを身に付けようとすれば,おそらく3000題くらいやって,しかもそれをすべて丸暗記しなくてはならない.
しかし,そもそも問題演習で得たものが記憶に定着するためには,基本概念の理解・体系化が前提となる.(とくに基礎シリーズの)テキストの復習をおろそかにしたまま問題演習に励むのは時間の無駄である.
そして何しろ“3000題”である.問題集を2冊3冊仕上げたってぜ~んぜん足りない.
つまり,新しい問題集はそりゃあやった方がいい.だけど,どうせ完璧になんてなりっこない.だから・・・
気楽にやろうよ.
夏前にも言ったと思うが,メリハリが大事.

  • 質を極める(ハリ)・・・テキストの復習は完璧に!!
  • 量をこなす(メリ)・・・問題集や過去問はまあそれなりに.

とくに問題演習量をこなしたい分野は,数学Ⅲ(理系)と確率・場合の数.
まあ後述する「過去問演習」をやれば,必要最低限度の初見問題演習にはなるだろう.

過去問演習
「過去問」は何のためにやるのか?私は2つあると考える.

  • 己を知る.・・・今の自分の到達度を測る.
  • 敵を知る.・・・その大学の入試傾向を知る.

入試本番のシミュレーションとして,過去問はぜひやるべきである.実際の試験形式で,時間配分,解答順序なども考えながら.
ただし,入試問題はあなたの実力をつけるために作られてはいないということは覚えておこう.“試験”が終了したら,基本的にはあまり深く追求せず,あくまでも前記2つの目的に絞ってやるのがよいと思う.無論,「これは興味深い問題だぞ」と感じたのなら深く追求してみるがいい.(東大・東工大などは「数学」の問題として面白いものが多いので,解答を見ながらでもよく検討してみたい.)

センター試験
○医学部等(センター高比重)志望者
医学部入試の半分(以上?)はセンター試験で決まる.決まってしまう.街にイルミネーションの光が溢れ,ジングルベルの鈴の音が聞こえてきたら,本格的なセンター対策のスタート!拙著「勝てるセンター」,および当ページの「センター数学の勉強法」も活用して,しっかりと準備しよう.
○東大・東工大・一橋等(センター低比重)志望者
センター数学対策は「しないで済ませられればそれに越したことはない」をベースに考える.数学に関しては,あくまでも2次対策の勉強を継続すること.ただし,まったく何もしないのは行き過ぎ.→詳しいことは「センター数学の勉強法」を参照.

センター後の勉強法

  • とにかくセンターのことは(結果として残った得点以外は)忘れる.
  • これまで行ってきた“ベース”となる学習を継続する.つまり,「それをやればいつでも数学の基本原理が思い出せるような何か」(K塾生ならテキスト)に軸足をおく.ただし・・・
  • 時間を意識する.時計を見ながら答案を書き上げる.
  • (月並みですが)過去問を制限時間の中で解く.
  • 時間があれば,とくに強化したい分野(苦手分野,志望大学における頻出分野)の問題集をプラス.(ただし,自分を追い込みすぎずに,できる範囲で)
  • 単純計算練習(理系の人は主に微積)も,毎日少しずつ継続したい.

試験直前期の心構え

  • 直前期の過ごし方
    ふつうに過ごす(ピアニストは包丁持って魚をさばく). ただし, イソジンでよくうがいをしよう
  • 当日の体調
    ちょっと悪いくらいがちょうどいい.睡眠不足だと目が真っ赤に冴え渡る.体温39℃ならウォーミングアップ要らず.
    もちろん,体調万全でもよい.
  • 当日の朝
    軽い計算練習をしておくと,頭の準備体操になる.(M下先生が書かれていたことをマネしちゃいました)とくに,時間が短いセンター試験などの直前にはぜひおすすめ!
  • 試験会場に足を踏み入れるとき
    「これからの○○分,何が起ころうと全ては自分の実力.全てはこの1年間の努力の成果.澄み切ったで全力を尽くそう.」

最後にキーワード(口癖)確認

  • 基本に遡って考える.
  • 現象そのものをあるがままに見つめる.
  • 合理的に計算する.

正しい反復練習により,これら3つの力を身に付けましょう.