◆基礎シリーズ(1学期)の復習

とにかく数学は基礎が肝心.基礎が身につけば問題は自ずと解ける(ことが多い).だから,今後の『学習ベース』となるべき基礎シリーズ(1学期)の復習を通して,各単元の基本原理の理解を確立する.これが絶対に譲れない夏の最重要課題である.
単にテキストの問題の解き方を真似してノートに写しただけでは,“復習”とはいわない.たとえば数列の問題を復習する際には,

「この数列は帰納的に(ドミノ式に)定められている.
だから帰納的に解けばいいんだ.」
というふうに基本に遡りながら,「だからこう解くんだ」と「解法の必然性」を理解する.したがって,テキストの問題“以前の”『基本事項のまとめ・要点』が不可欠.そのために,本サイトの基本プリント等を活用して欲しい.
このような基本概念や定義の確認,あるいは定理の証明も踏まえてこそ,初めて“復習”という.けっこう大変な仕事である.本当にまじめにやったら夏中かけても終わらない可能性もある.どこかで妥協点を見つけて“世渡り”していくのが受験生である.
復習は,1回だけでなく,すべての(ほとんどの)問題が理解できた上で解けるようになるまで繰り返す.ここで,必ずカンチガイ君が現れる.その人曰く「先生.Kのテキスト何度も繰り返したので全部“解き方”覚えちゃいました.でも,模試では・・・」

  • 〇:問題演習を通した基本原理の理解
  • ×:考えないで答を出すシステムの構築

前出のカンチガイ君は「×」を目的としているので的外れな疑問にぶち当たるワケ.そして当然の帰結として,2学期(完成シリーズ)になると「先生,問題急に難しくなってゼンゼン解けましぇん!!」.当たり前です.その問題だけで役立つ解き方を暗記しただけなんですから!!

「〇」の目的なら,何度でも繰り返す価値はある!テキストの復習をしながら,いま自分がどちらの姿勢でやっているかを,ときどき胸に手を当ててチェックしよう!
そこで生じる超古典的な質問:

「テキストの復習を“ハリ”のつもりでやってるうちに,自分が今
〇・×のどっちの姿勢でやってるかわらなくなっちゃいます!」
今まで人生で「基本に戻って理解する」なんて経験をしたことのない人は,その感覚を肌で感じたことがないので,けっこうこうした感覚に陥るらしいですね.その解法がどのように基本によって裏打ちされているかを「意識」し,判断が付くようにして行きましょう.
<注> ただし,そうした姿勢が時間をかけて身に付き,「無意識」に沈んだ頃に初めて効果が現れるものだということも知っておいてくださいね.

◆科目別・分野別集中学習

学期中は,決められた時間割にしたがって,1日の中でも数学をやり,英語をやり・・・また,1週間の中でもベクトルをやり,微積をやり・・・と,常時満遍なく様々な科目・分野を勉強している訳だが,とくに数学は,1つの世界にどっぷりと浸ってこそ,初めて見えてくるものがある.
そこで,表題の学習法をお勧めする.「今日から3日間はスマホの電源を切り,ベクトルのことだけ考えて生きてみる」なんて素敵だと思わない?(←思えりゃ苦労せんよなあ・・・) 必ずや,今までとはまったく違った視界が開けてくることだろう.
ただし,語学などはマメにやるのが大事とも言われるから,他教科も毎日少しはやるようにした方がよいかも.また,数学の中で集中学習ターゲット以外の分野についても,軽く合格る計算だけは継続するとか,うまく“やりくり”するのが“受験生”.
◆質と量

よく聞かれるのが「先生.テキストの復習だけでいいんですか?」という質問.私は,「ダメです」と答える.初見の問題を解く訓練をまったくしなくてよいほど受験は甘くない.問題演習は,100題より200題,200題より300題こなす方がよいに決まっている.
ただし,そうした問題演習で得たものの記憶への定着は,基本概念の理解・体系化という『ベース』が前提としてあって初めて可能となる.基礎シリーズ(1学期)の復習をおろそかにしたまま問題演習に励むのは時間の無駄である.
もう1つ定番の質問:「○□△っていう問題集一冊仕上げたら完璧ですか?」
答:「いいえ.完璧なんてありえません.」だから,逆に安心してよい.「これだけやらねば」と自分を追い詰めることなく「これだけできてまあよかったな」という楽な気持ちで臨むべし.
要はメリハリ.

ハリ

メリ

 

 

 

 

 

  • を極める(ハリ)・・・基礎シリーズ(1学期)テキストの復習は完璧に!!
  • をこなす(メリ)・・・問題演習はできる範囲でイーカゲンに(←すぐ答見て写しちゃえ写しちゃえ)

とくに演習が必要・かつモノをいう分野は,「数Ⅲ微積分」(理系生)と「確率・場合の数」.
あと,前出の「自分が〇・×のどっちの姿勢でやってるかわらなくなっちゃいます!」なんてとき,“メリ”の学習を通して,初見の問題に対して基本に遡って対応できるように進化しているかどうかと様子を窺うことで,自身の学習姿勢の良し悪しをある程度判定できます.ただし,前述した通り,効果が現れるまでにはタイムラグあることは承知しておいてください.
◆単純計算練習

各分野の単純な計算は,夏(の前半)までに(いちおう)完成させよう.とくに理系受験生にとっては,数Ⅲ微積分計算をその時期までに仕上げることは絶対に譲れない最低ラインである.これが達成されていなければ,夏後半における(メリとしての)問題演習や2学期(完成シリーズ)の実戦的な問題に臨む際,細かい計算に気をとられて,とてもじゃないが問題の本質を把握するどころではなくなってしまう.
計算練習時の合言葉は,「書いてから見るな,見えてから書け」と「省けないのかその1行」.どんどん暗算力を鍛えるべし!
◆共通テスト対策

夏は数学の本当の実力を伸ばす時期.妙ちくりんな共通テストの対策は,もっとずーっと先.
※ 「共通テスト対策」のかなりの部分は,旧来の「センター試験対策」で代用可能かと思います.よければ「センター数学の勉強法」の頁を参考にしてください.

◆汗を流す

夏は暑い.だから,頭も汗を流そう.数学には,1つの問題を何時間も,何日もかけて考え抜いて初めて越えられる壁というものがある.1年中そんなことをしていたら受験では失敗する可能性が高いが,暑い夏,ぜひ1度や2度はやってみるといい.自分が学生の頃はそんなんばっかやってたなあ・・・

勉強は,要領とか効率だけじゃないよ.
頭で汗をかくためには,いわゆる「初等幾何」が最適.この 真夏の幾何 をやってみるのもよし.←ゼッタイやれとは言いません.入試であまり出ないので.(笑)
それから,クーラーにばっかり当たってちゃダメ!時には(比喩でなく本当に)体中から汗が噴き出すほど体を動かすことも大事です.

◆そりゃあつらいときだってあるさ

学期中は忙しいながらも週単位でカッチリ決められた時間割があり,それに盲目的に従うという一種の“儀式”のおかげで生活のリズムが保たれ,ある意味で「つらい」と感じる暇がなくて救われていた面がある.
自由時間が増える夏期,ともすれば生活パターンの乱れが,学習習慣や精神状態を揺り動かすことになりがちである.月並みだが,夏もしっかりとした生活習慣を維持しよう.そして,つらくなった時にも,「これだけは毎日必ずやり続ける!」という儀式を用意しておくといい.そうした“儀式”としても,軽くこなせる「合格る計算」は最適です.