直線の通過領域 (2008/3/26更新)
交点を通る“第3の曲線” (2009/3/14更新)

直線の通過領域

青色で表示されている直線 y=2ax-a2・・・① が,実数 a を変化させたときに通過してできる領域Dについて考察します.
まず,「パラメータ変更/マクロナビ」のにある矢印をクリックして a の値を変えて行くと,直線①が動いてその跡が残ります.これが領域Dです.
それでは,領域Dを求める考え方を説明します.「パラメータ変更/マクロナビ」のをクリックして,いったん①の跡を消してください.そして,非表示設定になっている定点P(2,3)を,の所をクリックして表示しましょう.この点Pが,領域Dに属しているか否かを考えてみます.
a の値を再び変えて直線①を動かしてみてください.はたして
直線①が定点Pを通る・・・(※)
という現象は起こりうるでしょうか?
どうでしたか?a=1 のとき(※)が起こりましたね(a=3 でも起こります).つまり,定点P(2,3)は,直線①の通過領域Dに属することがわかった訳です.
この考え方を一般化することにより,領域Dが求まります.固定された1つの定点Q(X,Y)に対して
①がQを通るという現象
i.e. Y=2aX-a2・・・②
が成り立つような実数 a が存在するなら,この定点Qは,領域Dに属すると言える訳です.そこで,②を a について整理すると
a2-2X・a+Y=0・・・②’
よって,定点Q(X,Y)が領域Dに属するための条件は,a の2次方程式②’が実数解をもつこと,すなわち
判別式/4=X2-Y≧0 i.e. Y≦X2.
以上より,D:y≦x2
(よく「存在条件」と言われる考え方の典型的使用例でした.)

次に,「点K」を表示してみましょう.このK(k,2ak-a2)は,直線①と定直線 x=k との交点です(初期設定では k=1 になっています).「パラメータ変更/マクロナビ」のをクリックし,a を変数とみて動かしてみてください.点Kは上下に動き,「定直線 x=k 上において①が通過する範囲(半直線)」を描きます.この半直線を様々なkについて集めていくことによって①の通過領域Dを求める方法もあります.(俗に“ファックス論法”と呼んだりします)

最後に,をクリック,点Kを非表示にした上で,非表示設定になっていた点A(a,a2)および「陽関数y2」:y=x2・・・② を表示してみて下さい.直線①が,点Aにおいて放物線②に接しながら動いて行く様子がわかりますね.これが,この問題の“背景”です.

なお,直線①が動いた“跡”を再び表示させたい場合には,残像をクリックしておいてから, a の値を変えます.

↓「ダウンロード」を“右”クリック.「対象をファイルに保存」だかなんだかを左クリックしてファイルをパソコンの任意のフォルダに保存し,予めインストールしておいた function view で開いてください.

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交点を通る“第3の曲線”

初期設定で表示されているのは
 円 x2+y2=3 ・・・① と
直線 y=2x+1 ・・・②
です.

①,②を,それぞれ「右辺=0」の形
x2+y2-3=0 ・・・①’
2x-y+1=0  ・・・②’
にしたときの左辺を用いて,方程式
(x2+y2-3)+k (2x-y+1)=0 (k は定数) ・・・(*)
を作り,これが表す曲線について考察していきます.

それでは,非表示になっていた①と②の2つの交点PQ,および曲線(*)(z3と表示)を,この順に表示させてみてください.(初期設定では,k=1 になっています.)

曲線(*)は,2交点P,Qを通っています.試しに k の値を変えてみてください・・・・・・どうやら(*)は,k の値によらず,つねにP,Qを通るようですね.その理由を説明します.

交点Pの座標は,実際に求めてみると (〔-2+√{14}〕/5 , 〔1+2√{14}〕/5)とヤヤコシイのですが,この具体的数値は気にせず,とにかくPの座標を方程式(*)の左辺へ代入するとどうなるか考えましょう.
まず,Pは円①’上の点ですから,①’の左辺:x2+y2-3 の部分の値はゼロです.また,Pは直線②’上の点でもありますから,②’の左辺:2x-y+1 の部分の値もゼロです.よって,(*)の左辺全体の値は
0+k・0=0
となり,k がどんな値であっても方程式(*)は成り立ちます.つまり,曲線(*)はいつも必ず点Pを通るのです.(もちろん交点Qについてもまったく同様)

このことを利用すれば,たとえば次のような問題が手早く解けます.(非表示になっている点Aを表示してください.)

「円①と直線②の2つの交点P,Qと定点A (0,3) を通る円Cの方程式を求めよ.」

1°前述の通り,(*)は k の値によらずP,Qを通る.
2°(*)は,(式の形からして)k の値によらず円を表す.
3°(*)が点A (0,3) を通る条件は,(*)に(x,y)=(0,3)を代入して
6+k・(-2)=0 i.e. k=3.
以上より,求める円Cの方程式は,k=3 のときの(*)で,
(x2+y2-3)+3 (2x-y+1)=0
i.e. x2+y2+6x-3y=0.・・・(答)

これで,円①と直線②の交点を通る“第3の曲線”の方程式が,P,Qの座標(数値がキタナイ!)を求めずして得られた訳です.

次に,逆な見方でこんな問題を考えてみましょう.

「円 x2+y2+2kx-ky+k-3=0 が,k の値によらずつねに通る定点の座標を求めよ.」
(↑じつは(*)と同値な式)

ここまでの話を知っている人なら,前記の交点P,Qが求める点であることはもうお分かりかと思いますが,ここではそうした予備知識なしでマジメに考えます.

求める定点の座標を (X,Y) とおきます.題意の円がこの点を通る条件は,x,y にそれぞれ X,Y を代入して
X2+Y2+2kX-kY+k-3=0. ・・・③
X,Yが満たすべき条件は,
③が任意の k について成り立つこと・・・(★)
です.
2箇所の下線部をご覧頂くとわかるように,いま③においては,
X,Yは定数.k が変数
です.そこで,③を変数 k について整理すると
(2X-Y+1)・k+(X2+Y2-3)=0.・・・③’
(★)は,③’が任意の k について成り立つ,つまり③’が k に関する恒等式となること.すなわち
2X-Y+1=0 かつ X2+Y2-3=0.
これを解いて,求める定点の座標は
(X,Y)=(〔-2±√{14}〕/5 , 〔1±2√{14}〕/5) (複合同順).・・・(答)

注目すべき点は,円の方程式③においては
x,y が変数.k は定数
だったのに,③’では文字の役割がまるで逆になっているということです.
この“視点の切り替え”は難しいですよねえ.function view 数学Ⅱの「直線の通過領域」においても,これと同じことが行われます.

↓「ダウンロード」を“右”クリック.「対象をファイルに保存」だかなんだかを左クリックしてファイルをパソコンの任意のフォルダに保存し,予めインストールしておいた function view で開いてください.

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